特別養護老人ホーム(特養)は、費用がいちばん安い施設です。ただし誰でも入れるわけではありません。
原則として要介護3以上でないと申し込めません。要介護1・2の人は、条件を満たさない限り対象外です。
そして申し込めたとしても、すぐに入れるとは限りません。全国で20万6千人が入所を待っています(厚生労働省、2025年4月1日時点)。
この記事では、入居条件を正確に整理したうえで、要介護1・2の人に何ができるかを書きます。
特養の入居条件(年齢・介護度・そのほか)
要介護1・2でも入れる「特例入所」の条件
条件を満たさない場合にどうするか
娘母は要介護2なんです…。特養には入れないということでしょうか…?



原則はそうです。ただし特例入所という仕組みがあります!条件を確認しましょう
どこに相談すればいいか分からないときは、まず資料請求してください。
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特養の入居条件は3つ
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 65歳以上(40〜64歳でも特定疾病による要介護なら対象) |
| 介護度 | 原則として要介護3以上 |
| 状態 | 常時介護が必要で、自宅での生活が困難であること |
介護保険の被保険者であることも前提です。医療的な処置が常時必要な場合は、施設の体制によって受け入れられないことがあります。
要介護3というのは、目安として「日常生活の全般で介助が必要な状態」です。排泄や入浴に全面的な介助が必要で、立ち上がりや歩行が自力では難しい段階にあたります。
要介護1・2でも入れる特養の特例入所
要介護1・2の人がまったく入れないわけではありません。「特例入所」という仕組みがあります。
厚生労働省が示している要件は次の4つで、いずれかに該当し、居宅での生活が著しく困難な場合に認められます。
| 特例入所の要件 |
|---|
| 認知症であり、日常生活に支障をきたす症状などが頻繁に見られる |
| 知的障害や精神障害などを伴い、日常生活に支障をきたす症状などが頻繁に見られる |
| 家族などによる深刻な虐待が疑われるなど、心身の安全・安心の確保が困難である |
| 単身世帯、同居家族が高齢または病弱であるなど、家族などによる支援が期待できず、地域での介護サービスなどの供給が不十分である |
判断するのは施設ではなく、市区町村と施設が設置する「入所検討委員会」です。申し込み自体はできるので、該当しそうな場合は市区町村の介護保険担当窓口かケアマネジャーに相談してください。
ただし現実には、要介護3以上の待機者が多い地域では、特例入所での入居は簡単ではありません。
特養は申し込み順に入れるわけではありません
ここが多くの人の想定と違うところです。
特養の入所順は、先着順ではありません。介護の必要度、介護している家族の状況、住まいの環境などを点数化した優先度で決まります。あとから申し込んだ人が先に入ることは普通に起きます。
点数の付け方は市区町村や施設によって違いますが、おおむね次のような項目が見られます。
- 要介護度(高いほど優先)
- 介護者の有無と、介護者自身の健康状態
- 独居かどうか
- 認知症の症状の程度
- 医療的なケアの必要性
- 待機している期間
つまり「早く申し込めば早く入れる」とは限らないが、申し込まないと順番自体が始まらないということです。



順番待ちの間は、どうしていればいいんでしょうか…



待つだけにしないことです!並行して民間の施設も見ておくのが現実的ですよ
待っている間、どうするか?
退院日が決まっている人にとって、特養の順番待ちは選択肢になりません。地域包括ケア病棟の在院日数は平均で20日前後、回復期リハビリテーション病棟でも56日前後です。
だから実際には、次のような動き方になります。
順番は申し込んだ時点から始まります。複数の施設に申し込んでも構いません。
介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サ高住、グループホームが候補です。空室状況は日々変わるため、早めに動く必要があります。
住民税非課税世帯なら、居住費と食費に上限がつきます。特養でも民間施設の一部でも使えます。
入居後も特養の申し込みは有効です。空きが出たら移ることができます。
民間施設は費用が高くなりますが、特養に申し込んだまま入居できるので、順番が来たら移れます。「特養に入れないから諦める」という話にはなりません。
お住まいの市区町村にどんな施設が何件あるかは、こちらで確認できます。
特養の申し込みの方法
申し込み先は施設です。市区町村が窓口になっている地域もあります。
必要になるものはおおむね次のとおりです。
- 入所申込書(施設または市区町村で配布)
- 介護保険被保険者証の写し
- 主治医の意見書や診療情報提供書(施設による)
- 本人と家族の状況を記入する調査票
書き方でつまずきやすいのは、家族の介護の状況を書く欄です。ここが優先度の判定に使われるため、実情を具体的に書く必要があります。ケアマネジャーがついている場合は相談してください。
どこに相談すればいいか分からないときは、まず資料請求してください。
シニアのあんしん相談室は、全国2,800以上の高齢者施設を無料で紹介しているサービスです。電話で状況を伝えると、条件に合う施設を探して案内してもらえます。資料請求と見学の予約もまとめて頼めます。
この記事のよくある質問
65歳以上で原則として要介護3以上、常時介護が必要で自宅での生活が困難なことです。40〜64歳でも特定疾病による要介護なら対象になります。
原則は対象外ですが、特例入所という仕組みがあります。認知症で日常生活に支障がある、虐待が疑われる、単身で支援が期待できないなどの要件に該当する場合です。
制限はありません。複数の施設に申し込めます。ただし施設ごとに申込書が必要です。
いいえ。介護の必要度や家族の状況を点数化した優先度で決まります。あとから申し込んだ人が先に入ることもあります。
要介護2以下になっても、すぐに退去を求められるわけではありません。ただし施設によって対応が異なるため、契約時に確認してください。
出典:特別養護老人ホームの入所申込者の状況(厚生労働省、2025年4月1日時点)、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準、特別養護老人ホームの入所に関する指針について(厚生労働省通知)、入院医療等の調査・評価分科会 資料(中央社会保険医療協議会)を加工して作成






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