配偶者が亡くなり、子もいない。兄弟とは何十年も連絡を取っていない。この状態で施設を探す人が増えています。
先に結論を書きます。身寄りがなくても老人ホームには入れます。ただし、家族がやっていることを誰かが代わりにやる必要があり、そこを決めないまま申し込むと断られます。
この記事では、家族の代わりに何を用意すればいいのかを整理します。
施設が家族に求めている4つの役割
成年後見制度と身元保証サービスの使い分け
身寄りなしでも受け入れる施設の探し方
息子叔父に身寄りがなくて…私も遠方で、責任は負えないのですが…



全部を引き受ける必要はありません!役割ごとに分けて考えると道が見えますよ
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老人ホームが家族に求めているのは4つ
「保証人を立ててください」と言われますが、施設が求めているのは1つのことではありません。分解すると4つです。
| 役割 | 中身 |
|---|---|
| 費用の支払い | 滞納したときの支払い |
| 緊急時の連絡先 | 体調が急変したときに連絡が取れること |
| 医療の判断 | 手術や治療の方針を決めるときの相談相手 |
| 亡くなった後の対応 | 遺体の引き取り、荷物の引き取り、精算 |
このうち1つでも空白があると、施設は受け入れをためらいます。逆に言えば、4つとも埋まっていれば家族でなくても構いません。
成年後見制度で埋まる部分
成年後見制度は、判断能力が落ちた人の財産管理と契約を、家庭裁判所が選んだ後見人が代わって行う仕組みです。
| 4つの役割 | 成年後見人が対応するか |
|---|---|
| 費用の支払い | 対応する(本人の財産から支払う) |
| 緊急時の連絡先 | 対応する |
| 医療の判断 | 対応しない(同意権がない) |
| 亡くなった後の対応 | 限定的(一部は可能だが範囲が狭い) |
成年後見人には医療同意の権限がありません。ここが最大の注意点です。手術の同意書にサインすることはできません。
そして成年後見人は、本人の財産から支払うだけで、本人のお金が尽きたときに自分のお金で立て替えることはありません。施設が求めている「支払いの保証」とは意味が違います。
費用は、家庭裁判所が決める報酬が毎月かかります。財産の額によりますが、月2万円前後が目安です。一度始めると原則として本人が亡くなるまで続きます。
身元保証サービスで埋まる部分
民間の事業者が提供する身元保証サービスがあります。社会福祉協議会や、NPO、民間企業が行っています。
| 4つの役割 | 身元保証サービスが対応するか |
|---|---|
| 費用の支払い | 対応する(保証する契約が多い) |
| 緊急時の連絡先 | 対応する |
| 医療の判断 | 事業者による。同意まではできない |
| 亡くなった後の対応 | 対応する契約が多い |
費用は事業者によって大きく違います。契約時にまとまった額(数十万円から100万円台)を預ける形が多く、ここで事業者が倒産した事例が過去にあります。
選ぶときに確認することを挙げます。
事業者の口座と分けて管理されているか。信託を使っているか。ここが曖昧な事業者は避けてください。
解約したときにいくら戻るか。返金の計算方法を契約前に書面で確認します。
医療同意、死後の事務、葬儀、納骨。どこまで含まれるかは事業者ごとに違います。
自治体が独自に支援している地域があります。民間より費用が抑えられることがあります。
身寄りなしで困るのは、医療の判断
4つの役割のうち、医療同意だけは制度上、誰かが完全に代わることができません。成年後見人にも権限がなく、身元保証事業者も同意はできません。
現実には、本人の意思をあらかじめ書き残しておくことで対応しています。
- どこまでの治療を望むか、望まないかを文書にしておく
- かかりつけ医と施設に共有しておく
- 判断のときに相談する相手を決めておく
これは人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)と呼ばれ、厚生労働省も進めています。身寄りがない人ほど、これを先にやっておく必要があります。



本人がまだ元気なうちに決めておくということですね



そのとおりです!判断がつくうちでないと、選べる制度が減ってしまいます
身寄りなしでも受け入れる施設を探す
施設によって対応が違います。保証人がいないと一切受け付けない施設もあれば、身元保証サービスの利用を条件に受け入れる施設もあります。
厚生労働省は、身元保証人がいないことだけを理由に入所を断ることは適切でないという考え方を示しています。実際に、成年後見制度の利用を前提として受け入れている施設があります。
ただし、1か所ずつ電話で聞いていくのは現実的ではありません。条件で絞り込める検索を使うのが早道です。
お住まいの市区町村にどんな施設が何件あるかは、こちらから確認できます。
どこに相談すればいいか分からないときは、まず資料請求してください。
シニアのあんしん相談室は、全国2,800以上の高齢者施設を無料で紹介しているサービスです。電話で状況を伝えると、条件に合う施設を探して案内してもらえます。資料請求と見学の予約もまとめて頼めます。
身寄りなしの老人ホーム探し、よくある質問
入れます。厚生労働省も、身元保証人がいないことだけを理由に入所を断ることは適切でないという考え方を示しています。ただし費用の支払い、緊急連絡、医療の判断、亡くなった後の対応をどうするかは決めておく必要があります。
施設によります。成年後見人は本人の財産から支払いますが、本人のお金が尽きたときに立て替えるわけではありません。医療同意の権限もありません。
事業者の資産と分けて管理されていなければ、戻らないことがあります。過去に実際に起きています。契約前に、預けたお金が分別管理か信託になっているかを書面で確認してください。
制度上、完全に代われる人はいません。本人が元気なうちに、どこまでの治療を望むかを書き残し、かかりつけ医と施設に共有しておく方法が取られています。
まず地域包括支援センターと市区町村の高齢福祉の窓口です。社会福祉協議会が独自の支援を行っている地域もあります。
出典:民法(成年後見)、身元保証等高齢者サポート事業に関する調査(消費者委員会)、介護保険施設等における身元保証人等に関する取扱いについて(厚生労働省)、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省)を加工して作成。個別の契約内容については、必ず事業者と市区町村にご確認ください。



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